【輝く瞬間】 2025年 12月

京都聖母学院幼稚園 園長 寺井 朝子
11月も半ばを過ぎた日の朝、こんな時期には珍しく園舎玄関前に1匹の蝸牛がゆっくりと前進しているのを見つけました。子どもたちを呼んで眺めていると、ある子がそっと蝸牛を囲うように手をかざしました。「どうしたん?」と声をかけると「だって、風が当たったら冷たいし」と答えてくれました。それを見ていた別の子が「かたつむりさん、おうちに帰らはるところなんかなぁ」と一言。いつの間にか、子どもたちの中で「寒い中、暖かい家に早く帰ろうと苦労している蝸牛」というストーリーが浮かんだようです。「かたつむりさん、がんばれ〜。がんばれ〜」と、応援する声が周りから聞こえました。ひとしきり応援した後は各教室に向かった子どもたち。
降園時には「まだいるかなぁ」と数人が玄関にやってきましたが、すでに蝸牛の姿はありませんでした。「無事、おうちに帰ったんかなぁ」「そうやなぁ」 子どもたちと蝸牛のちょっとした出会いと別れの物語が誕生しました。