【新連載】「幼保小の架け橋プログラム」をはじめました② 4 回シリーズ(2)
京都市立音羽川小学校 校長 阿部 正人
架け橋プログラムをスタートし、「顔合わせ」「秋見つけ」「花の苗植え」「もうすぐ1 年生」と、一年間で4 回の交流を行いました。しかし、架け橋プログラムは園児と児童の交流だけではありません。幼保小の連携・接続を深めるために、様々な取組を進めています。
その一つが教職員同士の交流です。夏季休業期間中に幼稚園との合同研修会を実施しました。京都市教育委員会の架け橋コーディネーターをお招きし、架け橋プログラムの意義について学ぶとともに、それぞれの園・学校での取組について交流しました。合同研修会では、幼稚園の先生方のお話から多くの学びを得ることができました。特に印象に残ったのは、遊びを通した学びの充実や、行事づくりにおける子どもたちとの関わり方です。例えば、学習発表会では、劇づくりの過程で園児一人一人の思いや考えに耳を傾け、それらを台本に取り入れながら活動を進めておられるそうで
す。子どもたちが主体的に参加できるよう、時間をかけて粘り強く取り組まれていることに、私は大きな感
銘を受けました。
私はよく、「会話のキャッチボール」という言葉を使います。会話における言葉のやり取りをキャッチボールに例えています。会話の中では、相手が受け取りやすいボールを投げること、つまり、相手に分かりやすい言葉で伝えることが大切です。それ以上に、相手が投げてきたボールをしっかりと受け止めること、つまり、相手の思いや考えを丁寧に受け取ることが大切だと考えます。幼稚園の先生方のお話を聞きながら、私はまさにその「受け止める力」の素晴らしさを感じました。小学生よりさらに幼い子どもたちの思いや考えを丁寧に受け止め、活動につなげておられる姿に深く
感心しました。
その他の本校の取組として、空き教室を活用して「架け橋ルーム」を新たに設置しました。床一面にジョイ
ントマットを敷き、棚には、けん玉、コマ、カプラなどを置きました。園児と児童が交流したり、入学したばかりの1 年生が安心して楽しく過ごしたりできる環境づくりを進めています。
架け橋プログラムでは、「幼保小の連携・接続」という言葉がよく使われます。私は小学校教員として、これまで「小中連携」や「小中一貫教育」に関わる機会が多くあり、「小学校での学びを中学校でどのように生かしていくか」という視点を強くもっていたように思います。この考え方を幼保小の連携・接続にあてはめると、「園で育まれてきた力を小学校でどのように伸ばしていくか」という視点で教育活動を展開することが必要です。しかし、私自身つい
最近まで「新入生をいかに早く小学校生活に慣れさせるか」ということに重点を置きすぎていていたのかもしれません。架け橋プログラムに取り組む中で、そのような自分自身の意識に気付かされました。
架け橋プログラムは、子どもたちをつなぐ取組であると同時に、私たち教職員の学びをつなぐ取組でもあります。この取組を通して、子どもたちの育ちをより広い視点で捉えられるようになったことは、私自身にとっても大きな学びになったと感じています。