輝く瞬間

【輝く瞬間】 2026年10月

聖三一幼稚園 幼稚園型認定こども園 園長 松﨑 美幸

 聖三一幼稚園には、有形文化財に指定されている「礼拝堂」があります。その礼拝堂を守るために植えられた、百歳を超える雄と雌の銀杏の木が何時も子ども達を見守ってくれています。
今年も初夏には葡萄の様な黄緑色の実がフサフサと成りました。入園したばかりの年少さん達は「美味しそうだね‼」「葡萄食べたい~」とキラキラした目で何時までも見上げていました。
「葡萄じゃないから、食べられないんだよ。」と聞いてがっかり・・・「でも、おままごとには使っても良いかも‼
」と、落ちてくるのを楽しみに待っていました。

 夏も過ぎ、美しい黄緑色が黄色く変化しポトポトとたくさん落ち始めました。さっそくおままごとに使おうと年少さん達が手を伸ばすと、年長さん達が「黄色い実は、手で触るとかぶれるから、触っちゃ駄目だよ~」「あ~、踏まない
で~」と大急ぎで、火箸やトングで拾い集める役をしてくれています。ぎんなんの皮をむく作業をしてくださる時には、毎日園庭中にぎんなんの臭いが溢れます。「何してるの~?」「くさいよ~ウェ~」と側に行って顔をしかめている小さい子ども達に「お掃除してくれてるから、臭いとか言わないんだよ‼」「食べたら、美味しいんだよ~」と年長児がそっと教えてくれています。去年は臭いと言って逃げていたのに…なんて思い出し、少し笑えてきます。

 ずっと昔から立っている銀杏の木が、来る年も来る年も子ども達に四季の移ろいを伝えてくれています。今年も、銀杏の木と共に育つ子ども達が、神様からの豊かな恵みを感謝する「輝く瞬間」を次の子どもへと繋いでくれることを喜んでいます。大人になっても、どこかでぎんなんの臭いを嗅いだ時には、幼稚園の事を思い出してくれるかしらと、楽しみにしています。

【輝く瞬間】 2026年 9月

北野幼稚園 園長 池田 智子

 幼稚園に金柑の木がやってきました。その木にはアゲハ蝶の幼虫が十匹以上。子ども達は一瞬で実写版『はらぺこあおむし』の虜になりました。茶色と白のまだら模様の幼虫と緑色の幼虫がいて「違う幼虫?」調べてみると若齢幼虫は天敵から身を守るため鳥の糞に擬態していることがわかり納得。本当に判別が難しいほどです。毎日、観察していたある朝、蛹を発見!しかし何と蛹は椅子の裏やドア、柱と金柑の木ではないところにいてびっくり。
それからはいつ蝶になるのかドキドキ。そしてとうとう美しい蝶に変身!生まれたばかりの蝶は動かず止まったままかと思うとトコトコ大きな羽根を広げ歩き始め、「えっ?蝶って歩くの?」そのうち舞い上がり大歓声。「とんだーっ!」「さなぎが透明になってる!」そして「お花のホテルにお泊りしたいんちゃう?」と可愛い会話で笑顔に。探究心を深め命の大切さを学びました。子ども達も蝶のように美しく大きく未来へ羽ばたけ!。

【輝く瞬間】 2026年 7月

錦陵幼稚園 園長 山羽 学天

 ビオトープではGW頃からカエルが鳴きはじめます。我が園のビオトープ探険隊は登園すると捜索活動を始めますがカエル(モリアオガエルで絵本に出てくるようなフォルムが魅力)は曲者で声はすれども姿を見せてはくれません。諦めた探険隊はメダカ(品種みゆき)の観察へ転換、メダカのマンモス学校での様子を観察しています。そうなったのも園児が近くのお店で飼っておられたメダカを見つけ「僕の幼稚園にもみ・ ゆ・ き・ がいっぱいいるよ!」の一言でオーナーは園児がメダカに興味を持っていることに感嘆して、孵化するたびにご寄付いただいてどんどん増えて今の大所帯に……

 それと、冒頭のモリアオガエルの卵が大好物のアカハライモリもこの季節になるとウジャウジャと群れ、産卵をはじめます。実に不思議なイモリの卵探しに奔走して、孵化を見守り赤ちゃんを見つけた時の驚きと瞳の輝き。周りの園児たちも「どこどこ 」。こんな体験が好奇心の糧になればと思って毎朝ビオトープを覗いています。ただし、ビオトープの魅力に引き込まれてときどき園の靴を、そしてまれに園のズボンを履いたままでビオトープにはまってしまうのも、これまた探検隊の勲章です。

【輝く瞬間】 2026年 6月

コドモのイエ幼稚園 園長 大賀 祐

 園庭には、実のなる樹木がたくさんあります。夏みかん、佐藤錦、桑の実、ブルーベリー、
ビックリグミ、枇杷、ナツメ、ザクロ。おいしく実ったら、遊んではみんなで分け合って食べるのが嬉しい美味しい時間。

 5月から6月にかけて実るのはビックリグミ。今年度に入ってからビックリグミの可愛い花が咲き、小さな実を結び、少しずつ大きくなっ
てきているのを子ども達は楽しみにしていました。ある日、少し橙色になってきた実を年少児が摘んで食べました。食べた子の何とも渋い顔。「まだおいしくなかったやろ?もっと赤くならんとあかんよ」と年長児が教えてくれていました。そしてまたある日、「先生!
さっきヒヨドリがビックリグミの木にとまってた!真っ赤になってるし、きっとすごくおいしいで!」と年長児たちが走って伝えてく
れました。日々の園生活の中で自然の移り変わりや営みに子どもたち自身が気づき、取り入れる大切さを教えてくれているようです。

【輝く瞬間】 2026年 5月

桃山幼稚園 三木 賀子

 午後の遊びが終わる頃、「子ども達が石を沢山集めています。どうしましょう?」先生からの報告です。様子を見に行きますと、滑り台の下に沢山の小石がゴロゴロしています。子ども達に聞くと“ピザ窯を作る”とのこと。継続して遊べる場所でしたので、様子を見守ることにしました。フェンスでその場所を守りました。

 それから黙々と石を積み重ね、砂を入れて手のひらで形付けています。自分達の基地の様に、入れ替わり立ち替わり関わり続けていました。

 雨上がりの朝、メンバーの男児が登園後ピザ窯に直行し、覗き込んでいます。「うーん、いい感じ!雨で土がしまってる。」いい顔で呟いています。湿ることで土に変化が起こることを知っていたのです。

 完成には至りませんでしたが、時々その場に集まる子ども達は、至福の時を過ごしていました。石が子ども達にとって魅力ある遊びの素材になり、心を温かくする出来事でした。

【輝く瞬間】 2026年 4月

西山幼稚園 園長 中原 恵子

 毎週月曜日はののさま(ほとけさま)へのお参りの日。毎年春はソワソワと座り心地の悪そうな2歳児、3歳児が前列へ座っています。後列の年中さん、年長さんは慣れた様子で手を合わせ、お歌を歌ってお参りをリード。

 いつの間に、こんなにきちんとお参りが出来るようになったのかなと、しみじみ成長を感じています。

 お参りの後は、ののさまのおはなしを園長が話します。じっと私の顔を見つめる子どもたちですが、途中「みんなはどう?」と問いかけると、一斉に口を開きます。つられてさっきまでソワソワしていた2・3歳児も、何か言わなければと、「僕ね〜私ね〜」と叫び出します。

 話したいことが沢山あって、自分の気持ちを口に出せることはとっても大切なこと。全員の意見を聞き取るのは難しいですが、「そっか、そっか」と一人でも多くの子どもたちに相づちをうちつつ、どうやって話をののさまに戻そうか悩む園長です。

 2・3歳児も、秋ごろにはお参りやお話を聞くことも上手になっている姿を楽しみに、今週もののさまへお参りしています。

【輝く瞬間】 2026年 3月

太秦幼稚園 園長 松本 佳子

 ようやく春の兆しが見えだし、園庭で遊ぶ子でもたちの笑顔が増えてきたように思います。年長組も4月から小学校へ行くという期待と不安をいっぱいにお友達にニコニコ顔で「一緒のクラスになったらええなぁ」と話しながら遊んでいました。大好きなお花を見ながらそれを横で聞いていた妹が「お兄ちゃんと4月から一緒に来れへんねん。」というので「そうやな、でも新しいお友達が出来るし」と私が言うといきなり「このお花一つ増えたんや、こっちは昨日6個やったのに8個になった」とシクラメンの花を数えながら言うので「シクラメンもお友達がどんどん増えていくね」いう私に「そうやな、シクラメンもいっぱい友だちが出来るようにお水あげよっと」と目を輝かせ声も弾ませて走って水を汲みに行きました。毎日シクラメンの花の数を数えていたこととその花が子どもに与えた元気にとても暖かいものを感じました。

【輝く瞬間】 2026年 2月

清水台幼稚園 園長 植村義弘

 かけがえのない輝きと共に

園長として、また保育に携わる一人として、私が最も輝く瞬間は、子どもたち一人ひとりの小さな成長に立ち会えたときです。朝の挨拶が少し自信に満ちた声になった瞬間、友だちの気持ちを思いやりそっと寄り添う姿、昨日できなかったことに今日挑戦しようとする勇気。その一つひとつが、かけがえのない輝きです。自然に恵まれた環境の中で、春は新しい出会いに心を弾ませ、夏は青空の下で思いきり体を動かし、秋は季節の移ろいに気づきながら心を深め、冬は澄んだ空気の中で温かな思いやりを育んでいきます。子どもたちは、日々の生活や遊びを通して、自ら感じ、考え、成長していきます。その姿を見守り、共に喜び、支え続けられることこそが、園長としての誇りであり、私自身が輝ける瞬間です。

【輝く瞬間】 2026年 1月

幼稚園型認定こども園聖マリア幼稚園 園長 菅原 さと子

 桜・花水木・銀杏・紅葉等秋を惜しみながら春の準備に入る木々を見届ける頃、当園ではクリスマスの準備を始めます。クリスマスはイエス様のお誕生日をお迎えするキリスト教の園では欠かせない大切な行事です。その物語(生誕劇)を子どもたちと保護者(父母)の有志の方々の聖歌隊で織りなしていきます。

年長組はメインキャストのマリア・ガブリエル(大天使)・ヨセフ・羊飼い・星・博士を、年中児は聖歌隊を、年少児は羊と小天使を担います。特に年長児は、先輩に憧れて「やってみたい役」を叶わない事もある中で考え立候補します。説明や独唱等の練習を重ね、間違わずに説明し大きな声でしっかり歌えたその瞬間、みんなからの応援に応えるように、
安堵と自信が笑顔に変わるのです。この瞬間は自己肯定感に繋がるとても大切な時となります。挑戦と失敗と自信を繰り返す中で、私たちはその気持ちに添い、全てを受け入れてそれぞれの成長を見届けていきたいと考えています。

【輝く瞬間】 2025年 12月

京都聖母学院幼稚園 園長 寺井 朝子

 11月も半ばを過ぎた日の朝、こんな時期には珍しく園舎玄関前に1匹の蝸牛がゆっくりと前進しているのを見つけました。子どもたちを呼んで眺めていると、ある子がそっと蝸牛を囲うように手をかざしました。「どうしたん?」と声をかけると「だって、風が当たったら冷たいし」と答えてくれました。それを見ていた別の子が「かたつむりさん、おうちに帰らはるところなんかなぁ」と一言。いつの間にか、子どもたちの中で「寒い中、暖かい家に早く帰ろうと苦労している蝸牛」というストーリーが浮かんだようです。「かたつむりさん、がんばれ〜。がんばれ〜」と、応援する声が周りから聞こえました。ひとしきり応援した後は各教室に向かった子どもたち。

降園時には「まだいるかなぁ」と数人が玄関にやってきましたが、すでに蝸牛の姿はありませんでした。「無事、おうちに帰ったんかなぁ」「そうやなぁ」 子どもたちと蝸牛のちょっとした出会いと別れの物語が誕生しました。