
お寺にいるきつねのおはなはんは、ハイカラな娘に化けて村を歩くのが得意でした。村人たちが、「あんな真似をしたらあかん。」とおはなはんを避ける中、マンケはんのおっさんだけは、「これからの世の中はハイカラでないとあかんのや。」と言い、娘のおたみをお寺に連れて行きました。おたみは、おはなはんから英語や勘定、歩き方などを教わりました。しかし、雪の日も歩き方の練習をしていた為に、おたみは高熱を出して入院。看護師の熱心な看病により、おたみは元気を取り戻します。一体、その看護師の正体とは…?きつねと人間との交流が面白く、温かく描かれた一冊です。
聖ドミニコ学院京都幼稚園 京角帆那美
「きつねのおはなはん」 中川正文・さく 二俣英五郎・え

積木で格好いいお城を作ったテイラーは大満足。しかし鳥が飛んで来て、お城はあっという間にばらばらに。落ち込むテイラーの側に動物が次々に心配して声をかけにやって来ますが、テイラーは誰の言葉にも心を開きません。
しかし、黙ったまま背中に寄り添ってくれたウサギには、心を開き気持ちを打ち明けていきます。
何も言わず、そっと寄り添ってくれるだけで心の扉は開くんだね…。誰かのそんな先生、そんな人間になりたいなぁ…。
東山幼稚園 久見 かおりす
「ぼくのきもちはね」 作 : コリ・ドーフェルド 訳 : 石津 ちひろ 出版社 : 光村教育図書

お天気のいい日はいつも動物園に出かけるマスターさん。動物たちもマスターさんが大好き。
だからマスターさんが帰る閉館時間になると悲しそう。ある日ぞうが飼育係のポケットから棚の鍵を取り出してマスターさんの家まで訪ねて行きます。その時のワクワクの顔。連れ戻されそうになった時の怒った顔。飼育係見習いに
なって動物園に戻る時の嬉しそうな顔。そのどれもがとってもかわいらしい表情豊かな絵本。心あたたまる作品です。
京都きらら幼稚園 小野 由岐
出版社:好学社 アーノルド・ローベル作/こみや ゆう 訳

今日はおばけの遠足です。
夜になるとおばけたちがおばけの保育園に集まります。みんなそろっ
て元気に出発! 真っ暗闇鍋を作るために、闇シロップを集めに行きました。
木の枝に闇シロップを巻きつけ、急いでお鍋岩に向かいます。おばけたちは海坊主さんたちに出会い真っ暗闇鍋を一緒に作ったり、昆布綱引きをして楽しい時間を過ごしました。おばけたちと一緒に遠足に行っているような気分になれる、そんな一冊です。
小野幼稚園 阪上実夢先生
「おばけのえんそく」 西平 あかね さく

りんごが落ちるの待つコブタ。落ちたりんごはコロコロと岩の穴の中へ、取ろうとするも押してしまい、さらに奥へ。次々にやってくる動物たちも手伝いますが…。
誰もが経験したことのある「手が届きそうで届かない」場面がユーモアに描かれています。りんごが穴の中へ入る場面では、思わず「あっ」と声をあげ、繰り返される「もうちょっと もうちょっと」のフレーズや最後の思いもよらない展開は子どもも大人も楽しめる絵本です。
聖三一幼稚園 幼稚園型認定こども園 浅井奈保子
「もうちょっと もうちょっと」 きむら ゆういち・文 高畠 純・絵 福音館書店

ページをめくるたび、登場する色々な雲。「あのくもなあに? なんだろね。」「あれは、ざぶとんぐもだよ」「リボンぐもだよ」と、空に浮かぶくもからイメージを広げ、〝ダンスをおどるかぜのこが、かみにむすんだしろいリボン〟〝ざぶとんのうえにのっかって、のんびりそらのティタイム〟をわくわく楽しい場面が展開されます。この絵本を楽しんだら、雲の近い夏の空を見上げて「あのくもなあに? なんだろね」と、それぞれの発想で「あれは○○ぐもだよ」と楽しい会話が広がることでしょう。空を見上げたくなる素敵な一冊です。
紫明幼稚園 井上彩子
【絵本の紹介】「あのくも なあに」 作者 ぶん:富安陽子 え:山村浩二 出版社:福音館書店

ある池に、とび込みももぐりも泳ぎも得意なモリアオガエルが住んでいました。その池にはほかにもたくさんのカエルの仲間たちが住んでいます。色や大きさ、鳴き方や好きなおやつだっていろいろ! 木登りや赤ちゃんを育てることだってできるんです! でも池にはこわーい生き物も…カエルたちは無事に夏を迎えられるのでしょうか? 普段は見ることができない池の中に入ったような感覚でカエルたちの暮らしを知り、カエルたちと親しくなれる絵本です。
栄光幼稚園 藤塚 朱里
【絵本の紹介】「ぼくらはいけのカエル」まつおか たつひで さく

万次郎さんが、自分で育てたお米を使って10 個のおにぎりを作ります。その途中で海苔が足りなくなり、探している間に10 個のおにぎりは家を飛び出して….。
やがて、読者が「食べること」は自然のいのちをいただくということに気づかされます。
また、自分の大好きな人に自分の姿を見てもらいたい、見せたいという子ども独特の思いが、おにぎりを通して表現されています。心があたたかくなる一冊です。
山科幼稚園 松﨑有咲
【絵本の紹介】「万次郎さんとおにぎり」ぶん・本田いづみ え・北村 人

主人公はグレーのかわいい猫サイモン。そのサイモンに、ネコ科のライオンやトラといった強い動物が自分に似ていると言われ、最初は反発していますが同じ特徴を持っている事に気づき始め、最後は同じ仲間だとわかるストーリーです。
お話の内容が全てそのページにシンプルな絵で表現されているので、想像力が未熟な年少さんから楽しめます。読み終わった後に『みんな違ってみんないい』を改めて感じる1 冊です。
龍谷幼稚園 南 裕子
【絵本の紹介】「サイモンは、ねこである。」 ガリア・バーンスタイン作 なかがわ ちひろ訳

のねずみこども会から、ねずみばあさんに一通の手紙が届きました。『森でひなまつりをしたいので、おひなさまを森に連れて来てください。』一体、どんなひなまつりになるのでしょう?
のねずみ達とねずみばあさんの優しい気持ちに触れ、心がほっこり。森のひなまつりにわくわく♪おひなさまって動くの?もしかしたら、こっそりとパーティーをしてる…?そんなドキドキする想像力をかきたてられます。同時に物を大切にしようね、というメッセージも伝えられる絵本です。
すみれ幼稚園 野口 恵理
【絵本の紹介】「もりのひなまつり」 こいで やすひこ さく