
エルマーがまだ小さな子どもだった時、年老いたのらねこから、かわいそうなりゅうの子どもの話を聞きます。「もし助け出せたら背中に乗せてもらって空を飛ぶ事が出来るかもしれない。」それで、猛獣が一杯いる“どうぶつ島”へエルマーの冒険が始まります。どうすればお船に乗り込めるかな?トラにチューインガムをかませる?サイに角を磨かせる?ライオンのたてがみにリボンをくくらせる?りゅうを無事に助け出す瞬間までドキドキスリル満点です。勇気と機知と優しさがいっぱいで次々と読みたくなる本です。
堀 陽子(うぐいす幼稚園)
「エルマーのぼうけん」| 福音館書店

きいてごらん おとがする からだのなかで ドゥン ドゥン ドゥン ドゥン おとがする』
人間だけじゃない、動物や小さな虫、鳥たちも…みんな同じ、生きている。
ドゥーンドゥーン トクントクン タクタク・・・
音は違うけれど、みんな生きている。どれもとっても大切ないのちの音なんだよ。短いお話の中でも、そんな”命の大切さ”を感じることができる心温まる一冊です。
読み終わった後は、自然と友達同士で胸に耳をあて、聞き合いごっこがはじまりますよ。
布施麻里子(自然幼稚園)
「からだのなかで ドゥン ドゥン ドゥン」| 福音館書店

子ども達が大好きな雪のお話です!!
空からひとひらの雪がまいおり、心はずむ男の子の心とは裏腹に、大人達の反応は少し冷めています…。
それでもどんどん降り積もる雪。色彩に灰色が多く使われた絵本ですが、最後には男の子の心と同じ様に明るく晴れ渡ります!!
雪が大好きな子ども達だけでなく、子どもの心を忘れた大人にも是非読んでもらいたい絵本です。
京都では、年に数回積もるか積もらないかの貴重な雪!今年の冬も、子ども達と雪が降る日をワクワク心待ちにしたいと思います!
山本利恵(東山幼稚園)
「「ゆ き」| あすなろ書房

「こぶたたぬききつねねこ」というお馴染みのしりとりから物語は始まります。しりとりを通して仲間が増え、みんなでいたずらをして泣いたり、笑ったり!様々な場所へ行き冒険もするけれど、やはり最後は安心できるお母さんの元へ帰っていきます。
一見、言葉遊びのような絵本ですが、言葉をたどる中で不思議とお話がイメージされ、温かい気持ちになっていきます。一人ひとりが違ったお話の楽しみ方ができる、そんな素敵な一冊です。
和田芙未子(鴨東幼稚園)
「こぶたたんぽぽぽけっととんぼ」| こぐま社

「ぼく、しょうぼうしになれるやろか。」「なれへんかったわ」と、かばくんが色んなことに挑戦するものの体が重かったり、力が強
すぎたり………。どうにもこうにもうまくいかないかばくん、ちょっとゆっくり考えてみようと、ハンモックへ。「ま、ぼちぼち
いこかーということや。」
かばくんの表情や関西弁のおもしろさに、子どもたちも思わずアハハと笑い、ニコニコ笑顔になります。「ま、ぼちぼちいこか」ということです。
西川絵里(いずみ幼稚園)
「ぼちぼちいこか」| 偕成社

片目の猫タンゲくんは、ある日うちにやってきて、うちのねこになりました。気味の悪い虫はとってくるし、満月の夜には家中を走り回ります。それに外で会うと、知らんぷりしたり、隠れたりとミステリアス。へんなタンゲくん。でもだいすきなタンゲくん。文にはなっていなくても、思いやり溢れる家族の優しさが伝わってきます。タンゲくんの面白さと何事にも大らかに受け入れ、包み込む家族の様子から温かい気持ちになれる絵本です。
黒田純子(本願寺中央幼稚園教諭)
「タンゲくん」| 福音館書店

みんなどこへ行ったのかな? 友達を捜して神社までやってきたけど、誰もいない。ムシャクシャしたかんたがメチャクチャの歌を大声で唄うと、突然ドドーッと風が吹き、大きな木の根の穴から奇妙な声が聞こえてきた。「なんだろう?」と穴をのぞいたその途端……。
さて、かんたを待っていたものは?
不思議な世界へ迷い込み、驚きながらも楽しい時間を過ごします。皆さんもかんたのように歌を唄えば不思議な世界へ行けるかも!?
どんな歌かは読んでのお楽しみ!!
栄光幼稚園 大道順子
「めっきらもっきら どおん どん」| 福音館書店

つまらん、くだらんと皆からさんざん馬鹿にされたすいかの種。「あ~もうあったまにきた!」と芽を出したよ。あっという間につるをのばし、みんなの家に入り込んだよ。家の戸口やばあちゃんのベッドにまで大きな実ができて、すいかは仕返しをしたのかな?大きな実を切ってみるとすいかの種たちが叫びだしたんだ。「え、これでもくだらんかい」って。でも、みんなが食べる顔のその美味しそうな顔ったら。こんなすいか、あるかな?
聖三一幼稚園 柳原義之
すいかのたね| 福音館書店

昔、草ぼうぼうの荒れた土地に、20匹の子ぶたと親ぶたが住んでいました。名前が、パピプ…の文字で始まるなまけ者の子ぶた達。
ある日、よくばりのババタちゃんが、毒の入った草を食べました。すると、「ぼくは すこっぷ きみは くわ おいらは つちのはこびやく にんじんばたけのパピプペポ」と、働き出しました。それだけではありません。子ぶた達が成長していく様子が楽しみです。声を出して読むと、歯ぎれのよい、リズミカルなお話です。きっとニンジンも好きになりますよ。
今宮幼稚園 佐々木 典子
にんじんばたけの パピプペポ| 偕成社

ある町の消防署のすみっこに、ちびっこ消防車の「じぷた」がいました。火事の際には大きなはしご車が活躍し、じぷたの出番はありませんでした。じぷたは自分がちっぽけなことを悲しんでいました。しかしある時、小さな隣町で火事があり、狭い道でも通りぬけることのできるじぷたが出動しました。じぷたは見事に火事を消すことができたのです。そして気づくのです。自分には自分だけの魅力があることに。心があたたかくなるお話です。
浄福寺幼稚園 主事 菅原 好章
しょうぼうじどうしゃ じぷた| 福音館書店