
頁を開くと早速沢山のパン。
「うわー」と子ども達の眼もキラキラ。そして、三人兄弟の生き生きとしたパン作りが始まり、ゆっくり真剣に作る様子を見ていると、一緒に作っている気分になります。いろんな形のパンに楽しさいっぱい。頑張って作った出来たてパンを前に、喜びが伝わります。「おいしそう!」「たべたい!」と、今にもいい香りがしてきそうな温かい絵が子どもの心に残ります。皆でパンを作りたくなる一冊です。
市川真梨子(本願寺中央幼稚園)
「ぼくのぱん わたしのぱん」(神沢利子・ぶん 林 明子・え)出版社 福音館書店

冬仕度の為にせっせと働く野ねずみの仲間達。一見何も働かないフレデリック。食べ物も尽き、寒く凍えそうな仲間の心を光・色・言葉で満たしてくれたのは「その時」の為に自分なりのやり方で備えていたフレデリックだった。彼の紡ぐ詩は想像力を与え、希望へ。小さな仲間の世界に自分を置いてみたり、自分の周りのフレデリック探しをしてみたりも楽しい。
丹治かおる(相愛幼稚園)
「フレデリック」(レオ=レオ二 訳 谷川俊太郎 )出版社 好学社

寒がりやのとかげの子、ちょろりん。ある日、かあさんに頼まれたおつかいで街に出かけます。街角で見つけた“はるのはらっぱいろのセーター”が気に入ったちょろりんは、このセーターが欲しくてたまらなくなりました。でも貯金箱の中のお金では足りない…
ちょろりんはどうするのでしょうか?
とかげの街の冬支度の様子や、はるのはらっぱいろのセーター。冬の透き通った空気や暖かい春の匂いが絵本から香ってくる…今の時期にぴったりなお話です。
高橋 優子(京都カトリック信愛幼稚園)
「ちょろりんのすてきなセーター」( 降矢なな さく・え) 出版社 福音館書店

ある日、森の中を一人で散歩する男の子。
ラッパを吹く男の子の散歩に出会う動物達が次々へと参加していきます。
みんなでピクニックしたり、かくれんぼしたり。
「もういいかい?」目を開けると、もう動物達はいませんでした。
さて、これは夢だったのでしょうか?
全ページ白黒で表現され、どんどん不思議な世界に吸い込まれていくファンタジー溢れる一冊です。
明幼稚園 前 愛里
「もりのなか」( マリー・ホール・エッツ:文/絵/まさき るりこ:訳) 出版社 福音館書店

子ども達の大好きなバナナ。冷蔵庫に入れておくと、黒くなってしまうのはなぜ?
皮に浮いている黒い点はなに? いつもなにげなく食べているバナナの秘密がいっぱいの絵本です。
ふだん食べる時は「甘くておいしいね〜」くらいの感想だけど、この絵本を読んだら ”バナナ博士” のようなコメントができそうです!
ちなみに、表裏紙のお茶目なイラストにも注目ですよ。
細井 智佳子(寺之内幼稚園)
「バナナのはなし」
文 伊沢尚子 絵 及川 賢治 出版社 福音館書店

昔、とらとねこは山の中で暮していました。とらは今と違ってのろまで、獲物を捕るのが下手でした。ねこは、身体は小さいのにとてもすばしっこくて獲物を捕まえるのが上手でした。今は、とらはねこを探して深い森の中を歩き回り、ねこはとらを恐れてとらの近づかない人間の家に暮らすようになりました。どうして?それがわかるお話です。
迫力たっぷりのトラとすばしっこそうなねこの絵にすっかり引き込まれて夢中で見入ってしまう素敵な絵本です。
堀 陽子(うぐいす幼稚園)
「むかしむかし とらとねこは….」〜中国のむかし話より〜
大島英太郎◎文・絵 出版社 福音館書店

はい もしもし あ、おばあちゃん。うん ぼくだよ。いまから?ぼく ひとりで いくの?おうちの まえの みちをまっすぐ いって いなかまちを まっすぐ まっすぐ ……
言われた通りに、おばあちゃんの家を目指してまっすぐまっすぐ歩いていきます。その行く先で出会うものは、ぼくにとってはみんな初めて。こわいものかな?一つひとつ確かめながら歩いていきます。初めての道でのドキドキとワクワク、そしておばあちゃんの家についた時のホッとした気持ちをぼくと一緒にたっぷり味わえる絵本です。
田崎壮太(佛教大学附属幼稚園)
「ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ」| ペンギン社

動物たちの運動会。ぞうたちのパン喰い競争ではさるが乱入、ラグビーの様なうさぎとかめの激しい騎馬戦、足の長いきりんのフォークダンスではちょっとしたアクシデントが・・・。
昼休みにはいろんな動物ののんびりとした様子が言葉遊びになっています。ユニークな描写とすべての文が上から読んでも下から読んでも同じ言葉遊びで、ググッと引き込まれる楽しい絵本です。
山本 美樹(華頂短期大学附属幼稚園)
「まちには いろんな かおが いて」| 福音館書店

「ぼくが てくてく あるいていくと まちには いろんな かおが いて つぎつぎ かおが かおを だす」
マンホールに信号の押しボタン、火災報知機に家の壁・・・。
歩いていると いろんなものが顔に見えてきて、表情豊かな街の景色。いろんな顔に呼びかけられて、ウキウキわくわくしちゃいそう。
子どもたちのお家から幼稚園までの道のりも、ますます楽しくなりそうな 心が躍る一冊です。
小山ひろみ(コドモのイエ幼稚園)
「まちには いろんな かおが いて」| 福音館書店

赤い屋根の小さな家に3びきのねずみが住んでいて、はるの大そうじを始めました。家の中のものをつぎからつぎへと外に出します。
通りがかりのいろんな動物たちが、その品物をみて欲しがります。最後には家まで欲しいと言われ………。
いっぱいの赤いバラの花にかこまれたねずみの家には、いつも近所の動物たちがたくさん。みんなとてもうれしそう! でもどうして赤いバラが咲くようになったのでしょうね? ほんわりやさしい絵本です。
近澤隆子(桃山幼稚園)
「はるです はるのおおそうじ」| 福音館書店